2016/03/05分新高3生大学受験英語講座授業のポイント!

土曜日19:00~20:30の新高3生大学受験英語講座の解説です。

今日は早稲田の社学の問題でした。大問2問分を扱いました。

1.の問題は,ステレオタイプについてです。
ステレオタイプというのは固定観念のことで,みんな多かれ少なかれ抱いているものです。

「偏見を持った人は自分の偏見と一致するように世界を見る。もし白人アメリカ人女性がある水曜日の午後3時に、身なりのよい白人男性が公園のベンチに腰を下ろして日なたぼっこをしているのを目にしても、彼女は何とも思わない。ところが、身なりのよい黒人男性が同じことをしているのを見れば、彼女は多分、その人物は失業していると一足飛びに結論づけるだろう–––そして自分の税金から、あの怠け者がいい身なりをしていられるだけの福祉手当が支払われているのだと腹を立てるのである。もし彼女が先ほどの白人の家を通り過ぎ、そこのゴミ缶かひっくり返っていて、生ゴミが撒き散らかされているのに気づいたとしても、彼女は多分、野良犬が餌をあさっていたのだと判断するだろう。ところが、メキシコ系アメリカ人の家を通り過ぎ、同じことに気づいたら、彼女は多分いらいらして、「あの人たちは豚のような暮らしをしている」と文句を言うだろう。偏見が彼女の結論に影響を及ぼすばかりでなく、彼女の間違った結論がまた彼女の否定的な感情を正当化し、強化しもするのだ。」

上記のような文章が文中に引用されていました。ステレオタイプはいったんできあがってしまうと,なかなか取り除けないという内容でした。

l.16に,否定語文頭疑問文倒置があります。

Not only does prejudice influence her conclusions, but her erroneous conclusions also justify and intensify her negative feelings.

否定語句を文頭に出すと,疑問文倒置します。普通の語順で書くと,

Prejudice does not only influence her conclusions, but ~

となります。

設問自体は,選択肢も日本語で簡単です。問3は誤っている選択肢を選ぶものですが,c.の「日本人はまじめだ」が正解です。これこそステレオタイプで,本文に書かれていません。本文には,仕事において真面目であることが書かれています。受験生のステレオタイプを利用して選択肢を作ってくる問題もあります。

2.の方は,「競争力の定義」について。
国家の競争力は,企業のそれとは違って,様々な要因が絡んでいるというお話しです。
企業の競争力にとって「肝心なこと(bottom line)」は,その企業の最終的な損失にある。市場での地位が維持できないと,倒産してしまいます。でも,国家の競争力はそれほど単純なものではない。国家は倒産しないからです。明確な最終損益はないので,捕らえにくいものになっています。

単なる貿易収支で国家の競争力を測ることもできません。貿易黒字や貿易赤字も様々な要因で生まれるものです。黒字だからといって競争力があるわけでもないし,赤字だからといって競争力が無いわけでもないということが具体例とともに載っていました。

この文章では結局のところ,競争力をどう定義するべきかということには触れていませんでした。この長文以降の英文で書かれているのかもしれません。

英文の構造ということに限っては,読みにくいところはなかったと思います。

設問の1.が難しいですね。bottom lineという語句単独では,選択肢a.~e.の全ての意味があります。ここでもいつものように,文中での意味が問われています。

The (1)bottom line for a corporation is literally its bottom line: ~
「ボトムラインは文字通りのボトムラインである」という意味ですね。SVCだからS=Cなんだけど,いちいち「文字通り」と書いてあるのでSのbottom lineとCのbottom lineとでは意味が違います。

「寝違えて首を痛めてしまったが借金で治療もできない。文字通り首が回らない状況だ。」

「文字通り」は,このように比喩を強調する際に用いることがありますね。

bottom lineという表現も,比喩であることはわかると思います。「:」以下を読むと,

The (1)bottom line for a corporation is literally its bottom line: if a corporation cannot afford to pay its workers, suppliers, and bondholders, it will go out of business. So when we say that a corporation is uncompetitive, we mean that its market position cannot be maintained ― that unless it improves its performance, it will cease to exist.

となって,太字で斜字体になっているところが同じ意味です。つまり,倒産して消えてなくなってしまわないようにする最低ライン,最終損失額のこと。それがC(補語)のbottom lineの中身です。
さて,下線部(1)は,「企業にとってのボトムラインは文字通りのボトムラインだ」という意味ですから,倒産しないように最終損失額が上回るように維持すること。つまり,「肝心かなめのこと」であるとわかります。正解はa.ですね。

5.の,「本文からの推論として最も適切なものを次のa~eの中から1つ選べ。」というのは社学で長く出題されている問題です。

c.のPopular definitions of key concepts are not always based on the facts.(重要概念の一般的な定義は必ずしも事実に基づくものではない。)not alwaysは部分否定です。「必ずしも~ない。」
l.17のBut in both theory and practice a trade surplus may be a sign of a national weakness, (2)a deficit a sign of strength.(しかし理論においても実践においても、貿易黒字は国力の弱さの兆候であるかもしれないし、貿易赤字は国力の強さの兆候であるかもしれない。)
が該当箇所です。

次回の教材です。次回分です(パスワードがかかっています)。
Lesson08.pfgとLesson08単語.pdf

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